伝統の昇華―本歌取りの手法 村野藤吾
「本歌取り」とは歌学における和歌の作成技法の1つで、
有名な古歌(本歌)の1句もしくは2句を自作に取り入れて作歌を行う方法。
建築家村野藤吾は様式(数寄屋建築)への独自なかかわりかたとして
『本歌取り』というスタイルを取る。
都ホテル『佳水園』 村野藤吾1959年完成
その本歌として表千家『残月亭』、成辰閣『群青の間』、有楽苑『如庵』、
掬月亭『初筵観』という4つの数寄屋建築を『本歌』とした。
本歌となる作品のかたち(形式)は引用するが、それぞれの本来の意味・用いられ方・プロポーションには固執せず、その特徴的要素を自分の意匠に昇華させる事こそ村野藤吾の「写し」における最大の特徴。
現代数寄屋建築の傑作・都ホテル『佳水園』~村野藤吾
■次は村野藤吾が「本家」とした表千家『残月亭』を辿ってみる。
■
オーモードギャラリーへ■
■
★大谷裕之・趣味の徒然★オーモード建築アトリエ★へ■